「ゼム マガジン」出身の編集者が新メンズ誌

メンズ誌「ヒュージ(HUGE)」(講談社)で経験を積み、「ゼム マガジン(Them magazine)」(Righters)を2014年の創刊から18年まで右近亨編集長とともに制作してきた編集者の大城壮平(30)は、新たなメンズファッション・カルチャー誌「ヴォストーク(VOSTOK)」を3月25日に創刊した。青山ブックセンター本店、代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店、オンラインストア「Magazine isn’t dead」で販売する。価格は1500円。

前半はファッションシューティングがメインの構成。写真家のホンマタカシとスタイリストの林道雄によるファッションストーリーや、写真家の奥山由之が高田勇人がスタイリングした「サンローラン(SAINT LAURENT)」をポラロイドで撮影するなど、著名クリエイターが多く参加し、個々の感性を発揮する。また「セリーヌ(CELINE)」や「ディオール(DIOR)」にフォーカスしたページは、写真家の川村優人や白石晋一郎、スタイリストの吉田周平や深海佳宏ら若手によって撮影が行われた。大城は「自分と同年代のクリエイターに多く参加してもらった。若手が才能を素直に発揮できる場にしていきたい。ファッションに憧れる10代や20代は昔に比べて少なくなっているけれど、若手の写真家やスタイリストの活躍を見てもらうことでファッションに憧れる人が一人でも増えるかもしれないから」と期待する。大城と同郷の先輩でもある工藤司「クードス(KUDOS)」デザイナーがディレクションしたファッションページも設けている。

後半はアートやカルチャー系のコラムなど、読み物のページが続く。「ワイアード(WIRED)」日本版元編集長の若林恵や「スタジオボイス(STUDIO VOICE)」「トキオン(TOKION)」元編集長の松村正人、元「ヒュージ」エディターの田口悟史らがライターとして参加する。ニューヨーク在住の作家エイミー・ボナフォンズ(Amy Bonnaffons)の短編小説のほか、アーティストや作家へのインタビューも行っている。

誌名「VOSTOK」は和訳すると“極東”だ。大城は18年10月にRightersから独立し、「日本から『本物』のファッション・カルチャー誌を世界中に発信していきたい」という思いで創刊を決意した。「独立当初はこんなにすぐ創刊する予定はなかった。でも学生時代から右近さんの下で編集業に携わってきたので、雑誌に対する思いは常に持っていた。結局、がまんできずに作ってしまった」。

18年12月に創刊を決意し、わずか2カ月で264ページを完成させた。短期間での制作だったため広告はなく、自費での出版。資金集めは楽ではなかったが、誌面に掲載するアート作品やファッションの美しい色が映えるように、紙選びにも決して妥協しなかった。「インターネットが発達して世の中は情報で溢れているけれど、紙でしかできない表現は絶対になくならない。作り手の思想や哲学を、紙面を通じて伝えたい。そのためならたとえ紙代が高くても、妥協したくなかった」。

今後は創刊号と同等のボリュームを維持し、3月と9月の年2回の発行を予定する。広告営業も積極的に行ってまずは継続させることを第一に掲げながら、誌面では著名人へのインタビューや海外の若手クリエーターらも巻き込んでコンテンツの幅を広げていく。「誰も知らないような情報が載っていることも大事だけど、世に出す以上は編集者の自己満足になってはいけない。手にとった人に楽しんでもらえる、世界基準のファッション・カルチャー誌を目指したい」。

「グッチ」の帰還と新生「ボッテガ・ヴェネタ」を見逃すな

2019-20年秋冬のミラノ・ファッション・ウイークが2月20日に開幕する。25日までの6日間で、公式スケジュールでは約60ブランドがランウエイショーやプレゼンテーションを行う。

今季のミラノの注目は、やはり「グッチ(GUCCI)」。先シーズンは発表の場をパリに移し、その影響もあってミラノのパワーダウンは否めなかったが、絶好調の「グッチ」がミラノに帰ってくる。

新クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リー(Daniel Lee)が就任して初のショーとなる「ボッテガ ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」も見逃せない。ダニエルはフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」の出身。ポスト・フィービー市場と呼べる、ひねりの効いた大人の上質な日常着の担い手として期待が高まる。リアルクローズが持ち味のミラノは、同様に大人の日常着を強みとするブランドがそろう。「ジル・サンダー(JIL SANDER)」や「マックスマーラ(MAX MARA)」などにも注目だ。

2年目を迎えた「モンクレール Tシャツ コピー」も、今やすっかりミラノ・ファッション・ウイークの“顔”だ。今季から、新たに「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」のマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)と、ロンドンの若手有望株、リチャード・クイン(Richard Quinn)を新たなコラボレーターとして招へいしている。

回収した衣料品で作るTシャツに東京ブランドがデザイン そごう・西武が販売

そごう・西武は、使わなくなった服をリサイクルして作ったTシャツに、そごう・西武オリジナルデザインを施し5月7日から販売する。同社のウィメンズの自主編集売り場「キートゥースタイル」や、メンズ自主編集売り場「ブロウケッジ」にブランドを展開する7人のクリエイターが、そごう・西武のためにデザインした。

リサイクル会社の日本環境設計が展開する「BRING Tシャツ(ブリングTシャツ)」と協業する。

参加ブランドは、ウィメンズブランドでミュラー オブ ヨシオ クボ(MULLER OF YOSHIO KUBO)「ミュベール(MUVEIL)」「ロキト(LOKITHO)」、メンズブランドで「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」「ターク(TAAKK)」ヨシオ クボ(YOSHIO KUBO)「ホス(HOSU)」。元の製品よりも価値の高いものを生み出すアップサイクルの考え方をさらに進め、より細かいリサイクルにより機能性に優れた素材使いとシルエットを実現する「ブリングTシャツ」に、クリエイターがデザインすることで、環境にやさしくおしゃれなTシャツを提案する。

販売店舗は西武池袋本店、同渋谷店、そごう横浜店、同千葉店、同大宮店、西武・そごうのショッピングサイト「e.デパート」。「ブロウケッジ」は西武池袋本店と渋谷店のみ取り扱い。白地のみの展開で、ウィメンズXSサイズ、メンズM、Lサイズ価格は1万円。

「ミュベール」の中山路子デザイナーは、「遅ればせながら1年半ほど前から何かできないか?何か参加できることを探していました。『ミュベール』からはキャッチーな図案を提供しております。洋服を通して会話の1つにつなげていただければと願います」とコメント。「ミュラーオブヨシオクボ」「ヨシオクボ」の久保嘉男デザイナーは、「“サステイナビリティー”に人はもっと耳を傾けるべきだと思います。そのために、より多くの人にCSRということを自分のデザインを通して理解してもらえれば良い機会になると思い参加しました」と語っている。

なお、現在クラウドファンディングサイト「マチヤ」で先行受注を行なっており、白地のほかに「マチヤ」限定でグレー地もそろえる。XS〜Lの4サイズ展開で、価格は1万円(送料別途)。1枚のみでも購入可能だ。

約50ブランドが集結する香りの祭典 伊勢丹新宿本店で開幕

香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が伊勢丹新宿本店で開幕した。11月5日まで、本館7階催物場で開催している。6回目となる今回は昨年から5ブランド増え、国内外の有名ファッションフレグランスからニッチなメゾンフレグランスまで全48ブランドが一堂に会する。

目玉は日本初上陸となり本イベント限定で展開する「ゲラン(GUERLAIN)」の香水専門ブティック「ゲラン パフューマー(GUERLAIN PERFUMEUR)」。デジタルツールを使った香りのコンサルテーションを行う他、ボトル刻印や、好きな香りを選んでボトルに詰めるサービスを実施し、さらにブランド創設190周年の記念香水や、四季をイメージして調香されアートピースのようなボトルに収めたラグジュアリーなオーデパルファン「レ キャトル セゾン」(各500mL、各248万4000円)なども販売する。

ボトル刻印は「ゲラン パフューマー」の他、「ディプティック(DIPTYQUE)」「バーバリー(BURBERRY)」「クロエ(CHLOE)」「ラルチザン パフューム(L’ARTISAN PARFUMEUR)」「メゾン フランシス クルジャン(MAISON FRANCIS KURKDIJIAN)」も実施する。「グタール(GOUTAL)」ではキャップデコレーションを行うなど、特別感を演出する販売サービスにも力を入れる。

仏グラース発のオイルパフューム「パルフェ(PARFE)」と有名調香師ミシェル・アルメラック(Michel Almairac)による「パルル モア ドゥ パルファム(PARLE MOI DE PARFUM)」も日本初上陸。その他、クリスタルガラスの最高級メゾンのフレグランスライン「ラリック(LALIQUE)」、ジャポニスムコンテンポラリーフレグランス「トバリ(TOBALI)」、キャンドルメーカーのパフュームライン「トゥルドン(TRVDON)」、仏発ニッチメゾン「エラ ケイ(ELLA K PARFUMS)」の計6ブランドが同イベント初登場となる。